はじめに:訪日外国人の声から、まちと住まいの未来が見えてくる
日本を訪れる外国人が増えるなか、観光だけでなく、留学、就労、そして“暮らす場所”として日本を選ぶ人も増えています。
そんな彼らにとって、日本は「住みやすい国」なのでしょうか? 何に感動し、どんなところに戸惑いを感じているのか──。
その声に耳を傾けることは、地域や不動産に関わる私たちにとって、まちや住まいの価値を見直すヒントになります。
今回は、短期滞在から長期居住者まで、出身も背景も異なる8組の訪日外国人にインタビューを実施。その中で見えてきた“住み心地のリアル”を前後編に分けてご紹介します。
本記事では、日本の「良さ」を実感した声にフォーカス。不動産管理や地域づくりに役立つ気づきを探っていきます。
安心して動ける“空気”がある街
サウスカロライナ州チャールストン出身の女性(日本在住3ヶ月)
「街がとても綺麗で、みんな笑顔で友好的。レストランの店員さんも親切で、アメリカのように無愛想な人が少ないのが印象的。それに日本はとても安全。夜ランニングしていても何も気にせず走れるって、すごいことだと思う。」
“安全”という言葉の中には、治安だけでなく「干渉されずに自由に動ける空気感」が含まれています。こうした環境は、住まい選びにも大きく影響する要素のひとつです。
YORISOU TV:https://www.youtube.com/watch?v=4FX9vwJZO6k
スペイン・カナリア諸島から来た女性2人組
「とにかく人がたくさんいるけど、セキュリティも多くてとても安全に感じる。スペインでは夜の外出は少し警戒するけど、日本はその心配がない。」
にぎわいと安心感が両立する都市空間。それは、安心して暮らせる街・住宅環境を求める人々にとって、魅力的な要素となります。
YORISOU TV:https://www.youtube.com/watch?v=gtfnFRfQ5TA
清潔で整った生活環境に驚く声
メキシコ出身・カリフォルニア在住の女性
「日本はどこも清潔。街が整っていて気持ちがいい。みんなゴミをきちんと持ち帰るのが普通だよね。あれはすごいと思った。」
公共空間の清潔さは、不動産管理会社が意識すべき要素でもあります。ゴミ出しルールの徹底や清掃体制の維持は、快適な居住環境をつくる基礎です。
YORISOU TV:https://www.youtube.com/watch?v=bY8VX0UBSgY&t
ドイツから来た女性
「日本の外食文化は本当にリーズナブル。ドイツで同じレベルの接客・料理・眺望を求めたら価格は3倍になる。だからドイツ人は自宅の内装にこだわるけど、日本では外でも心地よい時間が過ごせるのがいい。」
手頃で快適な生活環境は、日本ならではの住まい方の魅力。管理物件でも共用部や周辺施設への気配りは重要です。
YORISOU TV:https://www.youtube.com/watch?v=mMynVbDk4dA
多様性と魅力に満ちた都市と文化
アメリカから来た男女3人組
「アニメはもちろん、日本のスキンケアや建築も興味深い。特に東京は、街ごとに雰囲気が全然違う。地下鉄に乗れば、まるで別の国に来たみたい。街を歩くだけでも刺激的。」
都市の多様性や個性は、物件選びにも影響します。「どの街に住むか」その選択肢が、暮らしの満足度を左右することも。
YORISOU TV:https://www.youtube.com/watch?v=ddtCVGxUQHI&t
ベラルーシ出身・東京在住3年の女性
「ベラルーシと日本って似ている。人がシャイで礼儀正しい。地下鉄の中も静か。都会なのに自然もあって、海も山もある。日本は完璧な国だと思う。」
静かさ、秩序、自然との共存。長期居住者が感じる“心地よさ”は、日本の不動産が持つ静かな魅力です。
YORISOU TV:https://www.youtube.com/watch?v=AbdWfJ0AQLc
文化へのリスペクトが生まれる“ルールある優しさ”
フランスから来た女性2人組
「小さい頃からアニメや漫画が大好きで、日本の文化にずっと憧れていました。実際に来て、日本人は本当に親切。エスカレーターで左側に立って、右を急ぐ人のために空けるとか、自然にマナーを守っているのが印象的でした。私たちもその習慣を尊重して行動するようにしています。」
こうした文化やマナーは、外から来た人にとって「押し付け」ではなく「尊重したいもの」として映ることがあります。
YORISOU TV:https://www.youtube.com/watch?v=FQur2bmZLw4&t
まとめ:良さの裏に、選ばれる住まいのヒントがある
不動産管理の仕事は、物件を管理するだけではなく、安心・快適・多様な価値観を包み込む“暮らしの器”をつくること。 外国人が感じた「安心・清潔・親切」といった日本の魅力は、私たちが見過ごしがちな“日常の強み”でもあります。
これは単なる「観光の感想」ではなく、「ここに住んでみたい」と思わせる力の根源です。
不動産管理会社にとって、こうした強みに気づき、守り、育てていくことこそが“選ばれる住まいづくり”の第一歩です。
例えば、
- 街や共用部の清潔感を保つ清掃体制
- 暮らしのルールや文化を丁寧に伝える工夫
- 外国人でも安心できる対応マニュアルや掲示物の整備
“住み心地の良さ”は、物件スペックだけでは測れません。 見えない価値に光を当てることが、これからの時代に選ばれる不動産管理の姿勢です。
次回の後編では、彼らが感じた“違和感”や“困りごと”に焦点を当て、その中に潜む改善のヒントを探ります。
※本記事はシリーズとして今後も継続予定です。日本で暮らす・訪れる多様な人々の声を通じて、私たちのまちと住まいのあり方を見つめ直していきます。どうぞ次回もお楽しみに。