【レポート】能登半島地震の現状から学ぶ!災害対策セミナー

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2025年2月14日、一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)主催「能登半島地震の現状から学ぶ!災害対策セミナー」が石川県金沢市にて開催されました。本セミナーには現地・オンライン合わせて100名以上の参加者が集まり、災害に対する関心の高さがうかがえました。

本セミナーは2部に分かれており、第1部はリレーセミナーとして、(公社)石川県宅地建物取引業協会新栄得哲事務局長より「能登半島地震における現状と課題」を、次に全宅管理顧問弁護士佐藤貴美弁護士による「法的観点から見た自然災害と賃貸管理業」を講義していただき、第2部では、パネルディスカッションを行いました。

 

震災を経験した石川の現状

まず、石川県宅建協会の新栄事務局長が震災の悲惨さ、そして賃貸型応急住宅、みなし仮設住宅制度の運用についてお話しくださいました。

賃貸型応急住宅の仕組みは借主が行政になり、行政が借り上げた住宅に被災者が入居する三者契約で応急型の仮設住宅と見なして一定期間家賃や必要経費を公金で賄われるもの。

その申請要件の1つに罹災証明が必要となっているが、自治体の機能が不全に陥り罹災証明の交付が滞り、なかなか3者契約を結ぶことができず、2者契約つまり普通の賃貸借契約を結んで、罹災証明が交付されてから、順次遡及して切り替える必要があり、大変だったこと、

この能登半島地震での経験を共有して、不都合なところは後の震災に備えて変えていく必要があることを行政に要望していくこと、石川県宅建協会としても災害対策を取りまとめているので気軽にご相談いただければ対応させていただきたい。とお話いただきました。

 

震災時の賃貸管理業

佐藤弁護士からは災害への備え、災害時の社内体制の整備・貸主借主の安否確認・物件状況の確認、避難終了後に賃貸管理を継続する場合・修繕時・貸主借主が解約を希望する場合・当然終了の場合の対応等について法的観点からお話いただきました。

 

パネルディスカッション

第2部では石川県宅建協会小間井隆幸会長、佐藤貴美弁護士、全宅管理佐々木正勝会長、岡田日出則専務理事の4名でディスカッションを行いました。

まず佐々木会長が、東日本大震災のときの体験をお話されました。

東日本大震災の直後から、管理物件を確認しに行き、救助を行った壮絶さ、

また管理物件がどのような状態になったか、写真も踏まえ、被害を広げないために、管理物件に貼り紙をして中に入らないで、と伝えたことなど当時の状況を思い出しながら説明されました。

また、実務的な対応として、震災後どういうことをすべきか、また起こる前に対応すべきことを震災の経験を踏まえてのアドバイスもありました。

ディスカッションでは、石川県宅建協会の小間井会長より、能登半島地震での復興においての法律的な疑問点、また会場からも質問が寄せられ、佐藤弁護士・佐々木会長から回答されました。また、岡田専務理事は「管理業者や宅建業者が被災地域の復興に尽力する、それを全宅管理・宅建協会がバックアップする環境を整備していきたい」とコメントされ、盛会のうちに終えることができました。

 

 

セミナーを通して

日本は震災が多い国であり、度々地震が発生します。大規模な地震が起きたニュースを見ても、大変だとは思うけど、どこか他人事の人が多いはず。

これを機に有事の際、どう対処するか話しあっておくことが実際に起きた際に役立つことがわかっていただけたかと思います。

最後になりましたが、能登半島地震において被災をされた方々に対し心よりお見舞いを申し上げますとともに、1日も早く復興できる日が来ることをお祈りしております。

本セミナーのアーカイブ動画については、会員限定サイト「インターネット・セミナー」にてご視聴いただけます。

ぜひご覧いただき震災の際に慌てることなく対応できるよう、社内での対応方針をご検討いただければ幸いです。