令和8年1月30日に賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議の第3回が開催されました。
本有識者会議で検討される4つの課題
①賃貸住宅管理業者が提供するサービスの見える化、賃貸住宅管理業としての報酬等
②賃貸住宅管理業の任意登録の促進
③業務管理者の資格要件のあり方、「賃貸不動産経営管理士」の社会的認知度の向上
④管理業の地域貢献(コミュニティーづくり、高齢者・子育て世帯・二地域居住者・外国人など多様な主体の共生社会の形成)
第3回の検討内容
第1回2回の検討会を踏まえ、 誰もが安心して質の高いサービスを受けられる賃貸住宅市場の実現のため、4つの重点課題に分け、目指す姿や対策を検討することになりました。
これら4つの柱に基づき、国と業界団体が連携して具体的な施策を推進していくことになります。
1.サービスの透明性
家主や入居者が管理料に含まれる業務内容を容易に把握でき、納得した上で契約できる状態を目指す
2.登録制度の実効性
「登録業者=安心できる会社」という共通認識が広がり、物件選びの重要な基準になることを目指す
3.業務管理者等の質の向上
専門知識を持つ質の高い業務管理者が全事業所に配置され、家主・入居者へのサービス品質を高い水準で維持され、家主・入居者が満足している状態を目指す
4.管理業の地域貢献
管理業者による地域貢献活動の取組が広く共有され、全ての管理業者が取組みやすい環境を目指す
それぞれの課題と対応
課題①賃貸住宅管理業者が提供するサービスの見える化、賃貸住宅管理業としての報酬等
家主や入居者の不満として、
① 管理業者が提供するサービスの範囲や内容が不明確で、契約時に業務内容や報酬が分かりづらい。
② 管理業者を評価する公的な仕組みが存在せず、客観的な信頼性や品質が不明。
担当者ごとに対応の品質にバラつきがあり、家主や入居者には基準が分からない。
管理業者において、
③ 上記①②の結果、低価格競争による品質低下や管理業者とのトラブルに繋がっている。
④ 金額に比べ、管理の質は評価されにくいために、維持・修繕の専門知識を持つ業者が育ちにくい構造になっている。
こちらについては、賃貸住宅管理の評価の仕組みと「標準管理業務ガイドライン」の策定で対応していく。
賃貸住宅管理の評価の仕組みとしては、質の高いサービスを提供する事業者が正当に評価され、業界全体の品質が向上している状態を目指し、
「標準管理業務ガイドライン」の策定については、家主や入居者が管理料に含まれる業務内容を容易に把握でき、納得した上で契約できる状態を目指します。
具体的な対策としては
健全な競争により、サービス改善のインセンティブが働くことを促すことを目指し、入居者や家主が賃貸管理状況を踏まえた選択を容易にし、住宅や管理業者を適切に評価する仕組みの検討をし、
家主や入居者と業者との相互理解を促進し、価格のみではなくサービス内容や品質も含む健全な競争環境の構築を目指し、基本業務とオプション業務の区別を明示した標準的な業務内容をガイドラインとして示す等の検討をしていく。
課題②賃貸住宅管理業の任意登録の促進
入居者において、
・ 賃貸住宅管理業の登録状況の認知度が低い(86.7%が知らない)。
・ 登録の有無による管理の違いが分からない。
管理戸数200未満の管理業者にとって、登録メリットやインセンティブが不足している。
こちらについては、登録業者を選ぶメリットの周知・広報と未登録業者の任意登録の促進で対応していく。
「登録業者=国の定めたルールを守る安心できる会社」という共通認識が広がり、物件選びの重要な基準になっている状態と200戸未満の管理業者においても任意の業登録が進み、業登録していることが業界のスタンダードになっている状態を目指します。
具体的な対策としては、
登録業者であることを分かりやすくする仕組みの検討、家主や入居者に対し、「登録業者を選ぶメリット」を伝える広報・周知活動を強化し、未登録業者の任意の登録を促進する仕組みの検討をしていく。
課題③業務管理者の資格要件のあり方、「賃貸不動産経営管理士」の社会的認知度の向上
法定の業務管理者の資格要件には、「賃貸不動産経営管理士」と「宅建士+指定講習」の2つのルートが存在し、 管理業務の専門性担保の観点から、賃貸不動産経営管理士に限定すべきとの声がある一方で、宅建士ルート廃止に反対の声も上がっている。
全ての営業所に、賃貸管理に特化した専門知識を持つ質の高い業務管理者が配置され、従業員への指導・監督を通じて、家主・入居者へのサービス品質が高い水準で維持され、家主・入居者が満足している状態を目指します。
具体的な取組としては、
<専門性向上の観点>
① 業務管理者等向けのリスキリング講座の用意
② 宅建士向けの指定講習及び賃貸不動産経営管理士の試験問題の充実・高度化
<人材確保の観点>
③ 宅建士向けの賃貸不動産経営管理士試験の受験促進
④ 賃貸不動産経営管理士資格の周知・広報の強化
を行う予定です。
課題④管理業の地域貢献(コミュニティーづくり、高齢者・子育て世帯・二地域居住者・外国人など多様な主体の共生社会の形成)
管理業者による地域とのコミュニティー形成等の業務を通じた地域社会への貢献について、社会的に広く認知されていない。
高齢者や外国人等の住宅確保、災害対応などにおいて、管理業者の役割や政策的な位置付けが不明確。
多くの管理業者は日々の業務に追われ、地域貢献活動の余力・ノウハウがない。
こちらの対応としては、先進事例の周知や政策上の位置付けの明確化、管理業務の生産性向上に向けた支援策、地域貢献に関するノウハウの共有が上げられました。
管理業者が地域づくりにおいて中心的な役割を担う存在であることが明確な状態、日常業務の効率化を図り、事業者がより専門性や付加価値の高い地域貢献業務に注力できる環境が整備された状態、管理業者の地域貢献活動の取組が広く共有され、全ての管理業者が取組みやすい状態を目指すと掲げられています。
管理業者の位置づけを明示化し、既に地域価値を共創する不動産業アワードで先行事例を表彰・周知しているが、更なる広報・周知が必要になる。
地域貢献での活躍が期待される管理業者に対し、業務負荷軽減に向けた検討。
高齢者や子育て世帯、外国人等の多様な入居者の支援やコミュニティ形成をするためのノウハウの共有のための検討し、国や自治体の防災部局と連携した管理業者における災害時等の対応方法の検討をしていく。
本来は3回の検討会の予定でしたが、議論が過熱し、4回目が開催されることになりました。
資料は下記国土交通省のHPよりご確認ください。





