【レポート】第2回賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議が開催されました

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令和7年12月1日に賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議の第2回が開催されました。

本有識者会議で検討される4つの課題

①賃貸住宅管理業者が提供するサービスの見える化、賃貸住宅管理業としての報酬等

②賃貸住宅管理業の任意登録の促進

③業務管理者の資格要件のあり方、「賃貸不動産経営管理士」の社会的認知度の向上

④管理業の地域貢献(コミュニティーづくり、高齢者・子育て世帯・二地域居住者・外国人など多様な主体の共生社会の形成)

第2回の検討内容

まずは各団体のプレゼンテーションから始まりました。

1.全国宅地建物取引業協会連合会

検討内容4項目について、会員業者にアンケート取り、それぞれの提案内容を発表しました。

主な提案としては、以下の通り。

①については、管理委託契約の書面化を促進することで、管理業務及び報酬の明確化

②については、登録業者のメリット拡充(登録業者への負担軽減方策)

③については、資格要件は現行制度を基本として、小規模な宅建業者が登録しやすい環境を維持すること

④については、地域連携の仕組みづくり:自治体・NPO・福祉機関との情報共有・支援連携を制度化

2.全国賃貸不動産管理業協会

本会からは佐々木会長がプレゼンテーションを行いました。

世の中の大多数の賃貸不動産管理会社は、入居者トラブル、家賃滞納、設備故障対応等に追われ、地域価値共創に寄与する時間的な余裕がないと考えられること。

そのような中でも、数少ない地域に根付いた不動産会社や賃貸不動産管理会社の取り組みを、私たちは「地域守り」と名付け、10年以上前から個別に取材・発信してきたこと。

しかし、この「地域守り」の方々がやっている事業は極めて属人性が高く、またボランティア的な奉仕活動によってなんとか成り立っているのが現状であること。

シンボルマークやステッカー等の作成をすることで、管理業に登録するきっかけになるのではないかということ。

災害対応マニュアルを作成したり、利益の組立図を作る特別ゼミを開催していること。

地域価値共創のために必要な地域守りの担い手となりうる管理会社が全国各地に点在し、
不動産業アワードへ出展できるような企業を輩出する‘育成・教育機関’となることをプレゼンテーションしました。

3.全日本不動産協会

会員にアンケートを取り、今後の課題について発表されました。

4.日本賃貸住宅管理協会

「賃貸住宅管理業務87のメソッド」制作を作成しており、リスト内にある各項目の詳細を説明した冊子で、管理会社が未実施或いはこれから実施を検討する内容の理解を促す資料として使えること。

ストック型社会の実現に向けた賃貸住宅管理業のサービス提供の為には、賃貸住宅管理業法にて明記された「維持・保全業務」の実務対応が可能な管理業務従事者を育成していく必要があり、それにはメンテナンス主任者が有用なことが発表されました。

5.サブリース事業協議会

社会課題解決への取組みとしていままでの住宅確保用配慮者に対する取り組みを発表されました。

6.全国賃貸住宅経営者協会連合会

安心ちんたいコールセンター無料相談の集計結果から、今後の対応策について発表されました。

7.賃貸不動産経営管理士協議会

指定講習の充実化、賃貸管理士試験の充実化及び業界・資格の社会的認知度向上にむけた取り組みについて発表されました。

賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査の概要

令和7年10月20日~令和7年11月6日に賃貸住宅管理業者を対象として、賃貸住宅管理業務の業務内容、管理業務の報酬等に関する現状の把握を目的に実施した結果の概要が公表されました。

月額家賃に対する報酬率について

「3~5%未満」が51.9%と最も多く、次いで「5~10%未満」が38.8%を占めていることが明らかになりました。「3%未満」の回答は少ない状況でした。なお、過年度のアンケート調査と同様の傾向でした。

管理戸数別に月額家賃に対する報酬率について

管理戸数が少ない事業者は、管理戸数が多い事業者に比べ、「3%未満」と回答した割合がやや高い傾向であった。なお、過年度のアンケート調査と同様の傾向でした。

管理業務の報酬への反映状況に関する調査結果

標準的な報酬係数が高い事業者ほど、標準的な管理報酬に含む管理業務が多い傾向でした。標準的な報酬係数が高くなると、業務範囲が広がる傾向でした。

アンケート調査結果のまとめ

ほとんどの管理業者は報酬を得て管理業務を実施しており(97%)、無報酬で管理業務を実施している管理業者は少ない(3%)結果となりました。
報酬水準が高い管理業者ほど、標準的な管理報酬に含まれる業務数が多い傾向がみられました。
報酬水準と、受託している管理業務の数量とは比例する結果となりました。

4つの検討項目についての主な課題(案)

各団体のプレゼンテーションや第1回の検討会から考えられる今後の検討項目について提案されました。

検討項目① 賃貸住宅管理業者が提供するサービスの見える化、賃貸住宅管理業としての報酬

〇そもそも、法律上の対象業務と対象外を含めた管理業務の範囲や内容が見えにくい【日管協P2】
〇業務内容と報酬との対応関係が不明確【ちんたい協会P18】
〇オーナーと管理業者が締結する契約書上、実施対象業務の内容や範囲が不明確【第1回検討会】
〇管理報酬の基準が不明確で、低価格競争によるサービス品質や収益性の低下の懸念【第1回検討会・全宅連P4】
〇維持・修繕の実務対応の専門知識がある業務従事者の育成が途上【日管協P11】
〇良質な管理や管理業者を評価する公的な比較指標がない【第1回検討会・ちんたい協会P20】

検討項目② 賃貸住宅管理業の任意登録の促進

〇そもそも、管理業登録制度がオーナーに知られていない【第1回検討会、全日P11】
〇登録業者と非登録業者の区別が分かりにくい【全宅連P6】
〇任意登録のメリットやインセンティブが不足【第1回検討会、全日P7】

検討項目③-1 業務管理者の資格要件のあり方

〇小規模事業者における賃管士の有資格者が不足【第1回検討会】
〇業務管理者になるための選択肢が一気に狭まると、新規の管理業登録や管理業の事業継続に支障【第1回検討会】
〇宅建士ルートにおける指定講習や効果測定が充実していない【第1回検討会、賃管士協議会P11~14】
〇賃管士ルートへの一本化に向けた道筋が見えない【第1回検討会】

検討項目③-2 「賃貸不動産経営管理士」の社会的認知度の向上

〇宅建士との違いや賃管士資格を持っていない従事者との違いが分かりにくい【賃管士協議会P21,22】
〇就職・転職に有利かどうかなど資格取得のメリットが分かりにくい【賃管士協議会P21】
〇オーナーの資産経営に関する専門性を有する点に対する認知不足【第1回検討会】

検討項目④ 管理業の地域貢献(コミュニティーづくり、高齢者・子育て世帯・二地域居住者・外国人など多様な主体の共生社会の形成)

〇管理業者による地域社会への貢献についての社会的評価が不足【第1回検討会、全宅連P9】
〇大多数の管理業者は、日々の入居者トラブル対応などに追われ、地域価値共創に貢献する余裕がない【全宅管理P3】
〇二地域居住や空き家対策、住宅SNなどの政策において、支援法人指定対象となるなどの公的な制度上の位置づけが不十分【第1回検討会】
〇高齢者等の住宅確保要配慮者や外国人など賃貸住宅への入居を拒否されやすい方への住まい確保が困難【日管協サブリース協議会P6】
〇自然災害発災時における賃貸住宅入居者の迅速な住まい確保や避難・支援体制の欠如【全宅管理P11,12・日管協サブリース協議会P6】

次回第3回では、とりまとめの骨子について検討を行います。

資料は下記国土交通省のHPよりご確認ください。

建設産業・不動産業:賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議 – 国土交通省