第33回視覚障害リハビリテーション研究発表大会

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令和7年8月29日~31日、日本教育会館一ツ橋ホールにて、第33回視覚障害リハビリテーション研究発表大会が開催されました。

今回は、3日目のシンポジウム「ライフの基盤“家”を借りる」についてお届けします。

「我々のライフの基盤となる生活の場、衣食住のうちの“住”に焦点を当てて、視覚障害者が賃貸住宅を借りる際の事情と課題を当事者と住宅を貸す側の視点として、一人暮らしをしている当事者と全国賃貸不動産管理業協会からご提言いただきます。」(プログラムより)

座長は、(株)mitsukiの高橋様と、社会福祉法人日本点字図書館の清水様です。

お二人のご挨拶の後、三川草平様からご講演をいただきました。

三川様から、視覚障害をお持ちの方の賃貸の部屋探しについて、ご自身の経験を語っていただきました。

門前払いに近いような断られ方も何件もあったとのことですし、仲介業者がOKでも、オーナーがだめなど、大変ご苦労されたとのことです。

そのような中で、ご自身の体験では、地域に密着した不動産会社の方はオーナーとも親密で、「あの方なら、きっと聞いてくれるわ」「あの大家さんなら親切だから」と親身になって聞いてくれたそうです。

「まずは自分の障害を伝えること。階段も問題無く登れるなど、これはできますと伝えることで不安を取り除いてもらえる」

担当者によって物件探しの難易度は変わるそうで、良い担当者との出会いが大事とのことでした。

 

続いて、全国賃貸不動産管理業協会の宮代事務局長からの講演になりました。

宮代事務局長からは、座長の高橋氏との出会い、そしてその後、国も出席していただいた勉強会の開催や、国家資格関係のWEBセミナーなどで高橋氏に講師をしていただいた経緯を説明されました。

「まずはお互いを知ること。オーナーにも管理会社にも漠然とした不安がある。それを取り除くことから」とおっしゃいます。

ご自身も高橋氏との出会いを通じて、白杖を使われている方に声をかけたいと思いながら、気後れしてしまい、今は、道を空けることが精いっぱいとのこと。

「でも、自分が道を空けることで、あとに続く人も空けてくれるかもしれない。そういうことの積み重ねだと思います。」

地場の不動産会社は、いなくなった猫探しまで頼まれるくらい、地域に密着しているとのこと。その地域の不動産会社が視覚障害をお持ちの方にも寄りそっていければと語りました。

 

最後に講師お二人をパネラーとしたディスカッションを行い、質疑応答の後、終了しました。

 

終了後、受講されていた方々が、皆、笑顔でいらっしゃったことがとても印象的でした。

素晴らしいシンポジウムをありがとうございました。

 

第33回視覚障害リハビリテーション研究発表大会