一般社団法人全国賃貸不動産管理業協会が開催した“賃貸管理サミット2023”に参加致しました。
- セミナー概要” 賃貸管理サミット2023“
- 講師のご紹介
- プログラム
- 正しいIT採用でDXを進めなければいけない理由~時代の流れ、新旧入れ替わり、世代交代~
- 不動産業界におけるDX
- 賃貸仲介・管理業務において、主たるIT化は【募集系】と【管理系】から
- データ連携の重要性
- 重要なのはリアルタイム一元管理
- データの一元管理、データ連携を考えるときの大切なポイント
- 不動産業界におけるDXの4つの考え方
- 業務に合わせたシステムを自前で構築、保有維持し運用する方法
- 自社開発部分と外部の必要なシステムやソフトを採用して組み上げる方法
- 各業務に適した外部のパッケージ・システムやソフトを、フローに合わせて組み合わせる方法
- 業務フロー部分を汎用性の高いシステム・ソフト会社にまとめる方法
- ”いい生活賃貸管理クラウド”なら
セミナー概要” 賃貸管理サミット2023“
「業界のトレンドと今後を学べる1週間」として、様々な講師を招き、これからの時代を生き抜くための知識や、業務の視述べられましたの情報を得ることが出来ます。
開催形式はオンラインセミナーで、2023年9月25(月)~29日(金)まで全5回行われます。
今回の記事では9月29日(金)に開かれた第五回セミナー「無駄を省くIT戦略とスマホ時代のIT戦術」の様子をレポートいたしますので、是非ご覧下さい。
講師のご紹介
講師:株式会社いい生活/事業企画本部 副部長・佐藤 繁行 様
プログラム
題名:無駄を省くIT戦略とスマホ時代のIT戦術
内容:創業以来、不動産業界のITに特化して、システムを提供してきました。 不動産業界において、時代の流れ、新旧入れ替わり、世代交代など変化があり、正しいITを採用し、DXを進めなければならない理由ががあります。DXの4つの考え方、 DXとは、どこから、何を? どうやって?など、弊社顧客から頂く内容を元にDXのポイントについて、お伝えします。
正しいIT採用でDXを進めなければいけない理由~時代の流れ、新旧入れ替わり、世代交代~
人口ピラミッドの変化から2020年から2040年までの予測を踏まえ、時代の流れの中でオーナーの世代交代にどのように対応すべきかが示されました。
新オーナーの特徴とニーズ
新たなオーナー世代は、家業を継ぐこともありますが、企業や役所での経験が豊富な場合が多いです。デジタル機器を積極的に活用し、特にパソコンやスマートフォンを仕事やプライベートで活用します。この点を踏まえ、不動産業者はデジタルなコミュニケーション手段と、オンラインプラットフォームの活用を検討するべきです。
オーナーの世代交代と業界の変化
オーナーの世代交代に伴って管理会社とのコミュニケーションにギャップが生じる可能性があります。新オーナーはデジタルに精通し、紙や電話よりも効率的な手段を好む傾向があります。そのため、不動産業者はITリテラシーの向上を図り、デジタルツールを通じたスムーズな情報共有を提供する必要があります。
消費者(若い世代)と不動産市場
新オーナーに加えて若い世代もITリテラシーが高く、スマートフォンを駆使して検索や連絡を行います。不動産市場でもネット利用が増加しており、これに合わせた新たなサービスやアプローチが求められています。
リアルタイム性の高い正確な情報が求められる時代に、オンラインプラットフォームを活かすことで市場での競争力を維持するべきです。
不動産市場がDXの波によって大きく変化する中、新たなオーナー世代や消費者との調和を図る必要があります。デジタルツールの活用で将来を見据えた柔軟な戦略が、不動産業界の持続可能な発展に繋がるでしょう。
不動産業界におけるDX
不動産業界も急速にDXが進展し、ITの技術サービスの導入が不可欠です。DXの目的は売り上げアップや利益の増加など様々であり、それを実現するためには適切なITツールを見極める必要があるとのことです。
一方で、オーナーさんへの訪問や提案など人間力を必要とする仕事も重要であり、これらとIT推進とのバランスを取りながら働くことが求められています。ITの導入によって生まれる変化に柔軟に対応し、人間力を必要とするサービスと効率的な業務処理を両立させることが、業界の進化と競争力の向上につながります。
賃貸仲介・管理業務において、主たるIT化は【募集系】と【管理系】から
「賃貸仲介・管理業務のIT化」では、募集系は外部環境の変化に影響され、業務の流れに合わせたデータの即時性への対応が課題です。一方で、管理系は安定性があり2000年以降変革が少ないですが、独立したシステムと、外部の多様化した募集系システムとデータの共有化は難しい状況です。柔軟性と安定性のバランスを保ちつつ、外部の変動に対応する新たなIT戦略が求められています。
募集系から管理系システムまで、シームレスな業務の流れが求められる中で、その境界線に位置するのが契約業務です。
ここで重要なのが、契約業務がDX推進の観点でどれほど重要かという点です。デジタルトランスフォーメーションにおいて、契約業務は募集系と管理系を結ぶキーポイントとなり、その効率化や透明性が大切になります。
データ連携の重要性
データの流れと業務の流れを澱みなく一致させることが重要だと述べられました。
業務の流れとデータの流れが一致しているホテルの例が紹介されました。例えば、宿泊者が「エリア+ホテル」で検索して地図で場所や宿泊費を確認し、ホテルの詳細や宿泊条件を確認して予約まで進める流れですが、宿泊者がホテルでのチェックイン手続きをスムーズに行えるように、事前に自分が登録した情報を確認するだけでチェックインが完了できます。
不動産業のデータベースとはまた異なりますが、情報が紐づいている他業種の例です。不動産業界でも募集・申し込み・契約が一元化できることが理想です。
重要なのはリアルタイム一元管理
例えば11時に仲介会社から申込が入って募集止めまでの時間が8時間後になります。これを解決するために、申し込みが完了した瞬間に募集情報DBと物件情報をリアルタイムで連携し、即座に募集を停止することが極めて重要です。
不動産業者にとって、リアルタイムなデータ連携は競争優位性を生み出します。
データの一元管理、データ連携を考えるときの大切なポイント
データ連携においてメリットと導入する前に抑えておきたいポイントについてもお話がありました。
データ連携のメリット
1. 二重登録を回避: 募集業務において、複数登録や入力がなくなり、負担が軽減されます。
2. 業務とデータの同期: 作業進行とデータの状態がリアルタイムに同期され、業務効率が向上します。
3.契約データを入居者データとして取り込むことで、管理系業務もスムーズに運営できます。退去・原状回復から次の募集開始までのデータ連携により、管理データが募集系とシームレスにつながります。
連携を考える際のポイント
1. 時間と内容の優先順位: リアルタイムが必要な箇所とそうでない箇所を明確にしましょう。
2. データの範囲: すべて連携すべきか、一部だけで良いのかを検討しましょう。
3. 連携方法の選択: 同一データベース、API、RPA、CSVバッチ処理、社外サービスなど、コストに見合った連携方法を考慮しましょう。
不動産業界におけるDXの4つの考え方
不動産業界におけるDXでは、以下の4つの考え方があると述べられました。
①業務に合わせたシステムを自前で構築、保有維持し運用する方法
②自社開発部分と外部の必要なシステムやソフトを採用して組み上げる方法
③各業務に適した外部のパッケージ・システムやソフトを、フローに合わせて組み合わせる方法
④業務フロー部分を汎用性の高いシステム・ソフト会社にまとめる方法
四つのパターンの良い点・悪い点が講師から紹介されましたので以下にまとめます。
業務に合わせたシステムを自前で構築、保有維持し運用する方法
自社でシステムを構築する場合、従来の業務フローに合わせられる柔軟性と、DXによる社員の抵抗軽減が利点です。
しかし、今後の変化への適応とアップグレード費用が検討すべきポイントなり、業務に合わせたシステムを保有・維持・運用する為に、技術に精通した人材の維持など課題もあります。
自社開発部分と外部の必要なシステムやソフトを採用して組み上げる方法
自社開発と外部システムを組み合わせたDXを進める場合、業務の整理と自社システムのオリジナル部分の維持が利点です。
しかし、自社開発部分の変化への対応や外部接合のリスク、外部システム・ソフトベンダーの開発継続能力や経営状況に注意に必要です。
将来にむけて業務フローを設計し、システムやベンダーの選定を検討・経営基盤を確認することが不可欠です。
各業務に適した外部のパッケージ・システムやソフトを、フローに合わせて組み合わせる方法
個々の業務に適したパッケージソフト・システムを選択し、それぞれを業務フローに合わせて接続する場合、業界専門のソフトウェアを利用することで、自社のシステム管理・運営が必要のない一方で、連携・接合の質や採用企業の開発継続能力や経営状態にも注意が必要です。
将来の展望を考え、採用企業の経営基盤や事業継続計画を確認し、アップグレードによる柔軟な対応等、充分なサポート体制があるかも重要になります。
業務フロー部分を汎用性の高いシステム・ソフト会社にまとめる方法
業務フローを汎用性の高いSaaS企業のシステムにまとめる場合、同一データベースで即座に業務状況が反映され、業界の変化への対応が早く、低コストなのが利点です。
しかし、独自性が制限されること、DXによる社員の抵抗への可能性があること、今後のシステム面での採用企業への依存が課題としてあります。
採用企業の経営基盤を確認すること、業界情報をいち早く入手し、変化によるアンテナを高く張ることが重要です。
これからDX化を考える方は、まず初めに自社システムが現在どうなっているかを状況整理する必要があります。募集~管理業務までのシステムチェックシートが紹介されましたので、是非利用してくださいとのことです。
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詳細については株式会社いい生活さんの公式ウェブサイトをご覧いただくか、お問い合わせください。